はい、そこに正座。
先日のホワイトデー。
ムスメの学校では、バレンタインデーとホワイトデーのチョコ持参禁止令が出たために、放課後に各自渡したい相手の家に出かけたりして直接(プライベートに)手渡しするという、むしろドラマティックなイベントになってしまった。
もともとそこまでして渡すほど女の子オンナノコしていないムスメ
は、一年生の時から仲良し(腐れ縁?)のお向かいのK君にだけ、
恒例の「友チョコ」を渡しておしまい。
一ヵ月後のホワイトデー前日、K君の母からメールあり。
「明日、ムスメちゃんが何時に家にいるか教えてちょ」
おぉそうか、明日はホワイトデーじゃんと気づき、
●時にいるよと伝えておくと、翌日の放課後
マンションエントランスのオートロックに
「ピンポーン」。
あっ、K君だ。
ムスメー、K君来たよぉと声をかけると、トイレの中から
くぐもった声で
「えっ……、そんなに早く出られない」。
ちょっと、この事態になにしてんだよっ!?「最中」ってか?
仕方がないので、母(ワタシ)が代理で玄関に出る。
「やぁやぁ、ムスメは今非常に手が離せない状態なので
ワタシが代わりにもらっておこう。はいチョコちょうだい」
「えっ?ムスメちゃんどうしたの?」
「あまり深く追求しないように」
K君、まいっかって感じで飄々とバイバイ。
ムスメがジャーという流水音と共にトイレから出てくる。
「……アンタはワタシと同じニオイがする」
「えっ、ちゃんと手は洗ったけど」
「そのニオイじゃないっ(-_-)」
友チョコだからいいというわけじゃない。K君もかわいそうに。
これが本命だったらどうする。男子がわざわざ来てくれたという
のに、本人はトイレから出てこれないだなんて、ワタシの
「かつて」を髣髴とさせて不安だ。
意中の男子が自宅近くまで来てくれたのに、突然呼び出された
ワタシは蛍光緑のクタクタ芋スウェット上下で、その子とは
二度と会うことはなかった。
密かに思いを寄せていたヒトが名前を呼んでくれて振り向い
たら、思わずヨダレが垂れた。(←妄想中だったわけではない)
よっしゃ、もう完全に両思いだわと確信したら油断して風邪を
ひき、その間に別の女の子にもっていかれた。
これはもしやという時に限ってムダ毛の処理が甘い。
そういう「オンナとしての脇の甘さ」がだ、愛を逃すのだよ
ムスメよ。
「どうしてムダ毛を処理してないと愛を逃すの」
うるさい、そのうちわかるっ。