溺愛とトラウマ。

某月某日

晴れている。夏である。キラキラと輝く太陽の下、ムスコと午前中から車で出かけ、スタバで「デート」する。屋外の席に並んで座り、私はアイスラテをダブルショットで、ムスコはオレンジジュース、そして一つのサンドウィッチを分けわけ。

 

両手でサンドイッチを食べつつ、挟まれたチーズを取り出して

「はい、ママ、チーズ。あーん」

としてくれる息子に、母はすっかり骨抜き。鼻の下を伸ばしながら、チーズを大事にかみ締める。

 

某月某日

目覚まし時計を買う。自分で録音したメッセージやメロディを鳴らすことができるらしい。ムスコを呼び、マイクに向かって

「ママ、おきて」

と入れさせる。なかなか上手くいかなかったりで、何度か言ってもらう。

 

うまく録音できたのを何度も再生しては

「うん、起きる起きる〜」

とニヤニヤする私を見て、オットが

「絶対ムスコのトラウマになる! よし、オマエが留守の間にオレの声で『起きやがれっ!』って録音の上書きしてやる」

と画策していた。そんな声で起こされたら私のトラウマになるので、断固阻止せねばあぁ。