虫もコナーズ。

今年は蝉が少ない。

蚊も少ない。

ひょっとして、何かの前兆かしらん。




と思ったのは、夏のはじめ。
夏とはすなわち蚊との戦いの日々であると信じて生きてきた
「最も蚊に刺されやすい女」
は、思いがけずカユカユ被害に遭わぬまま、夏を過ごしている。

というのも、私は通説で「蚊が最も好む」という呪われた
B型血液の持ち主で、これまでの人生では集団の中で
間違いなく一番に

「かゆっ」

と声を上げる女子だった。

「えーっ、蚊?」

と周囲が騒がしくなる中、ひとりだけ2箇所も3箇所も
刺されまくる受難の日々だったのである。

そんな私の脚にとまったヤブ蚊をパチッと叩き、

「気をつけないと、脚が真っ赤になるぞ」

なんて言ってくれた頼もしい男子も確か大昔にはいたりで
(大昔過ぎて記憶が定かでない)、甘酸っぱかったり
ラジバンダリ。

「ママは自己チューのB型だから、蚊が天チューを
下しにやってくるんだよ」

なんてムスメは言ったものだが、そう言うそなたも
紛うかたなきB型なので注意されたし。





しかし、今年はめっきり蚊に刺されない。





きっと蚊が少ないのだ、コレは何かの予兆に違いない、
地震かしら何かしらと思っていたら、

お友だちの若いピチピチのお母さんが、2歳のこれまた
ピチピチのお嬢ちゃんと共に、朝から
「こんなに蚊に刺されたー」
と手足を真っ赤にしてやって来たのに遭遇。
そうか、


蚊がいないんじゃなくて、
アタシがもう蚊に「刺していただけない」
だけなのね……。



そう思うと、刺されないのも寂しいものであります。



女も30も半ばになると蚊も刺しに来ねーや、へっ、と
やさぐれていたら、ウチの小さいほうのトイレ床(木製)に
キクイムシなる虫が棲みつき、ボコボコ穴を開けて増えていた。

ひーっ!! と業者に消毒&床貼り替えを依頼して
締めて10万円。


虫は刺さないがムシは湧く、ってか? 
重ね重ね残念な日常である。



注)
整体のセンセイによれば、酒をやめ運動を始めて
血液がキレイになったのも一因ではとのこと。
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