20歳の母。

保育園で一緒のふーちゃんのママが、きのう帰りがけに
チロルチョコをくれたので、しばらく我が家にチロル
チョコ旋風が舞った。

ふーちゃんのママは大阪人である。

「なぁなぁ、ムスコ君チョコ食べれるー?」
「食べる食べる。めっちゃ好きやで」と私。
「ほなお母さんにもあげるわー。今日コンビニで
チロルの箱入り見つけてん。めっちゃ可愛いねーん」
「いや奇遇やわ! アタシも今日同じのヴィレバンで
見つけて、買おうか迷っててんかー。ありがとぉ」

チロルチョコは、大人も子どももちょうど一口で
くちゅっと溶ける。やっぱ美味しいなぁ。

ふーちゃんのママは車の運転をしないので、雨の日や
雪の日はちょっとお迎えがしんどそう。なので、
たまたま一緒の時間にお迎えをすると、私はいつも
「ふーちゃん、乗ってく?」
とナンパする。

車の中で、ふーちゃんのママが
「わたし、声おかしいやろー」
と言う。確かにちょっとハスキー。どしたん、風邪?
「こないだライブしてん。面白かったー」
えぇぇライブですかっ? うた歌う人? どんなん演るの?
「んー、ちょっとジャズ入っててー。あっ、着いてもうた」

これからというところで、ふーちゃんちに到着して
しまった。歩くとちょっと距離あるのに、車だとすぐだから、
いつもふーちゃんたちとの会話は謎含みで終わる。

今朝会ったら、ふーちゃんのママがパン屋に行くというので
通り道やし連れてくわーと、また一緒に車に乗ってケラケラ
話をしながら行った。

私はいつものように財布も持たずに出てきて(大人なのに)、
「あーお金がないー。パン買われへん」
と笑う。
「貸そうか?」「うちにパンたくさんあるからいいねん」。

一緒にふらふらとパン選びをして、子ども用の
ウサギちゃんパンが美味しいで、とか、そのトマトのブルス
ケッタはいいチョイスやなぁ、私やったらそれで昼から
ワインやわ、と言っていたら
「どのパンにも必ずコメントが入るなぁ」
とケラケラ笑われた。

「先に車で待ってるわー」と車に乗り込み、パン屋から出てきた
ふーちゃんママを家まで送って、
「ほなまた」
と言ったら、
「これお礼。ワイン飲んでください」
と、さっきのブルスケッタが一つ入った袋をくれた。

最近いろいろ人からもらったものの中でも、スペシャルに
嬉しかったので、まだ口の中に味が残っているうちに
日記にする。


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ふーちゃんのママが
「わたしいくつに見えます?」
と訊いた。
20代半ばくらいかなぁ? と答えると、
「21ですよ」
ふふと笑っている。

そうかぁ悪い悪い、21かぁ。私も上の子を
産んだとき、そんなくらいだったよ。でも
落ち着いてるねぇー。私そんなだったかなぁ?

「保育園では、なるべく落ち着いて見えるように
してるんですよー」

そうだねぇ、私もそうだったよ。
よかったら、またうちの車、乗ってって。