上海エリートビジネスマンのムフフな夜。

【メルマガコラム】2004/04/23

National Geographic Channelカワサキ家 Episode3〜

 「眠れる獅子」と言われた中国、いまや眠れるどころか目をパッカリ開いて
 世界中に向けて「朝だよぉ〜ん」と吼(ほ)えつつ、乾布摩擦して腹筋してそう
 な雰囲気で、経済絶好調である。

 そんな中国の経済最先端はやはり上海。カワサキの義父も、ビジネスで何かと
 訪中することが多く、そこでのエピソードには事欠かないそうな。

 経済取引を支えているのは中国華僑。お金の匂いのするところには必ず出没する。
 米国有名大でMBAなんか取ってきちゃってるようなバリバリエリート華僑と、
 義父の取引の夜の酒席にて。
 「カワーサキさーん、どんな女性が好みね。何でも言ってチョウダイ。」
 (↑意訳。会話は英語。)
 欧米でのビジネス経験の長い義父には、これが頭痛の種。アジアのビジネスは、
 どうしても夜に女性と酒を交えずには進まない。欧米ではそんなことは
 ないだけに、商習慣の違いを痛感するとか。

 しかし、義父もさるもの、というか、変わり者。実は彼の好みは米ABC放送の
 ニュースアンカー、コーキー・ロバーツに代表される「成熟した大人の女性」
 ……っていうか、熟女。10代や20代の女性なんて青すぎて話にならんわいってな
 ワケである。

 こういうジュクジョ好き、意外と多いのかもしれない。「アリーmyラブ」なんて
 フヌケた邦題をつけられた"Ally McBeal"でも、法律事務所の若き経営者である
 フィッシュが初期にメロメロになっていたのは、どう考えても50代の裁判官、
 ウィッパー(女優は実年齢60超のダイアン・キャノン)だった。

 それを同僚たちに見つかってフィッシュはこう言ったもんである。
 「あのトリガラのようなノドもとを見るとたまらなくグッとくるんだ!」

 閑話休題。清廉潔白ながらジュクジョ好きの義父は、それぞれ隣の若いムチムチ
 小姐の肩に手を回した華僑ビジネスマン達の
 「カワーサキさーん、何でも言ってチョーダイ」
 に対し、仕方なく正直に自分の好みを申告した。華僑絶句。
 「オンナは若けりゃ若いほどいい」という文化では、ジュクジョ好きなんてのは
 変わり者、マニア、更に言うとちょっとヘンタイくらいに受け取られかねない。
 華僑は脂汗を浮かべながら無理やり微笑みつつ、
 「カ、カワーサキさーん、アナタ難しいこと言うねー。でも無問題、無問題
 (モーマンタイ=ノープロブレム)。ちゃんとイイヒト連れてくるね」
 と、店のチーママにあーでもないこーでもないと交渉、ようやっと見つけた
 20代後半の女性を義父の隣に座らせるのだとか。(義父は本音では不満らしい)

 しかしだね、「成熟した女性」の魅力を礼賛するのはフランスやらイタリアやら
 の、「恋愛天国」の男性陣である。ある意味で恋愛の達人たち。義父の好みは
 決してマニアックでもなければヘンタイでもないのよ。つまりは「老い」では
 なくて「成熟」なのよ、「老け」ではなくて「熟れ」なのよと、ようやく30代の
 カワサキも、「花のいのちは結構長い」と悟ったのでございました。