カワサキ妊娠ジャーナル 1

【メルマガコラム】2004/11/05 

夏が終わって以来、カワサキは暗かった。真っ暗だった。
 妊娠初期。つわりは苦しいし、肌はブツブツのボロボロ。髪は空恐ろしくなるほど
 抜けるのに、ホルモンの変調か、「……えっ」というところに毛が生える(笑)。
 醜い。かんべんしてくれ。

 目ざといママ友は、「ちょっと奥様っ、その肌どうしたの!」。(←私が知りたい)
 生徒は、「なんで先生だけ授業中にアメ舐めてんの〜ズルイよ」。(←つわりだよ。
 大人にもいろいろ事情があってね……)
 医者は、「2度目ならもう色々ご存知ですし、心配ないですね」。(←いーえ先生、
 全ては忘却のかなた)
 娘は、「うちうち、うちの母さんは〜、記事あと2本!」。(←ラップ調。締め切り
 直前に言うのが憎たらしい)
 オットは、「あぁ〜会社いやだぁ」。(←すまんがキミに付き合う余裕はない……)

 いままで普通にこなしていたことが、全然できない。家事は放棄モード。
 匂いに異様に敏感になって、人々の体臭がこもる電車に乗れない。身動きの
 取れない(全注目を浴びているので、トイレに駆け込んだり、吐き気止めの
 食べ物を口にしにくい)授業時間が恐怖。気が滅入っているので、そんな時に
 書くメルマガも激しくつまらない。

 つわる⇒ダウン⇒暗⇒やること山積み⇒身体にムチ打つ⇒出来が悪い⇒自己嫌悪
 ⇒つわる、の「つわりスパイラル」。あたしゃ、デフレに陥った日本経済の
 気持ちが解ったね。(ウソつけ)

 日本では、妊娠の9ヶ月間を等分に3つに分けて、それぞれを初期・中期・後期と
 呼ぶみたいなのだが、アメリカやイギリスでは、発達に合わせて等分ではない
 3期(trimester)に分け、それぞれ1st trimester、2nd trimester、3rd……
 と呼ぶ。

 変調と葛藤の1st trimesterを終了し、カワサキは"blooming"(開花。いい言葉
 やねぇ……)の2nd trimesterに入ったそうな。ものの本によれば、
 「再び活力を取り戻し、妊娠中最も楽しく、食事も楽しめる時期」とあった。

 毛が抜けたり生えたりして悩まされたホルモン方面でも、プロゲステロン(女性
 ホルモン)の分泌が増えるとか。毛も肌も、これで解決しそう(して欲しい)。
 このホルモン、別名"natural pain reliever"(天然の鎮痛剤)。胎児への
 影響を考えて、どんなに体調が悪くとも薬品や嗜好品を避けざるをえない
 妊婦の味方である。

 個人差はあるだろうが、へなちょこなカワサキにとって、1st trimesterは
 過酷だった。実は繊細な神経の持ち主であるということが、図らずも証明された
 ワケである。ガラスのような繊細さの乙女座なのよ、よろしくね。(でも厚顔な
 B型だけど。)さて、こうなったらナチュラルハイだろーがなんだろーが、穏やか
 で幸せな気分になれるなら、喜んで身を委ねたいと思うカワサキでありました。