カワサキ妊娠ジャーナル 2
【メルマガコラム】2004/12/10
「あなたは繁殖に適している?」
先日、産科に検診に行きました。(妊婦なんですよ、念のため。)
前回このメルマガでも切々と申し上げたつわりが治まった途端、膨張していく
自分が恐い……。身体が重いぜと感じながら、クリニックへの坂道をえっちら
おっちら登って行きました。
「センセイ、体重増加がワタクシ的に危険域です〜」と訴えるカワサキ。
「あなたみたいな人はね、」と、細ぶち眼鏡の奥からセンセイの哀れむような視線。
「人類が飢餓に直面している時代には、貴重な人材だったんですよ。繁殖に
適した個体というかね」
「繁殖に適した個体、っすか〜」
「妊娠中、たとえ飢餓という状況下にあっても、少ない食物からエネルギーを
蓄積できる体質でね」
「あ〜、蓄積〜」
「でも、この飽食の現代にあっては、あなたのような個体は淘汰されやすいの。
成人病にかかったりするからね、気を抜くと」
「は〜、淘汰〜」
「もともと妊娠中は、ホルモンのせいで普通に食べていても蓄積するんだから。
自分を飢餓状態に置くようなつもりでもなけりゃ、いま体重が増えるのは仕方が
ないんですよ、あなたみたいな人は」
「飢餓〜。そりゃ無理だ」
「僕だって、気をつけていないとすぐ脂肪がついちゃうもの。体質と思って、
自分で努力しましょう。」
「現代に適応しなきゃイカンのですなぁ」
つまり、妊娠中に太りやすい女性は、繁殖に向いている個体であると。ほぉ。
ほしたらなんだ、「妊娠中に体重増加しなかった!」って頑張った産婦たちは
何なんだろう。妊娠後期でありながら「体重増加 +1kg」とか「+3kg」とか
言って、赤ん坊と胎盤で5kgにはなるってのに、計算が合わないぞ。
オールアバウト「出産医療・産院選び」のガイド河合蘭さんは
「減塩・体重制限は本当に効く?」
http://allabout.co.jp/children/birth/closeup/CU20041020C/index.htm
の記事中で、
「妊娠中毒症を懸念して、摂取エネルギーの制限と厳格な食塩制限を20年来
奨めてきた日本の産婦人科界で、それを見直す動きが出てきた」と教えてくれて
います。
むしろ体重増加が+5kg以下の層に妊娠中毒症の発症率が高いそうで、「やせすぎ、
極端な減塩は病気(妊娠中毒症)を悪化させる」とか。新常識ですねー。
私の母たちの時代には体重制限はなかったのが、1980年代から厳格な体重制限
が始まり、最新の情報では「それもほどほどに」と……。妊娠にも流行(?)が
あります。
まぁだからってカワサキがこのまま膨張していいって話ではなくってですね。
私が「貴重な人材」として価値を発揮できる昔に生まれたかったぞ。でも飢餓も
いやだな。はぁ。